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親が認知症になる前にすべき3つの事

相続のこと

 金沢大学医薬保健研究域医学系教授山田正仁先生によると、「認知症とは、一度正常に発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を指します。」と述べられています。
 認知症には、物を覚えられない、今までできたいたことができなくなるといった認知機能の低下による症状ばかりではなく、怒りっぽく攻撃的になる、意味もなく徘徊するなどの症状もみられます。
 親が認知症になる前に行うべき対策をご提案いたします。

親の認知症への対策

親が認知症になってしまってからでは親の財産等について手続きが複雑になってしまいます。問題が発生する前に対策しておきたいことをお伝えします。
1. 財産管理の問題
2. 相続の問題
3. 他者・社会に及ぼす損害

次にそれぞれについて見ていきましょう。

財産管理の問題

 親の判断能力が低下すると、銀行口座から多額の預金を引き出してしまう、光熱費の入金を忘れて電気やガスが止められてしまう、キャッシュカードや通帳を無くす、といったトラブルがおきます。

 事前に防ぐには、子がキャッシュカードや通帳を預かり、銀行の手続きを代わりに行うことで解決できます。しかし、親の判断能力が大幅に低下した場合、銀行手続きのために委任状があっても銀行側の判断で口座が凍結されてしまう恐れがあります
 ここで必要となるのが、委任契約書です。委任契約書とは、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生じる契約です(民法643条)。この契約書があれば銀行の振込や役所の戸籍謄本の取得など、様々な場面で利用できます。また万が一相続が発生し、身内から親の銀行口座等について問われても、この契約書があれば立証しやすくなります。以下に見本を載せておきます。

 次に、親の判断能力が大幅に低下した際に、親の財産を管理する必要がでてきますが、法律に即して財産を管理するためには、後見人としての契約が必要となります。これを任意後見契約書と言い、委任者(親)が、受任者(子または家族)に対し、将来認知症などで自分の判断能力が低下した場合に、自分の後継人になってもらうことを委任する契約です。この契約書があれば財産管理だけでなく、介護保険の申請や施設の入退所など生活全般に関する支援も可能となります。以下に見本を載せておきます。

相続の問題

 子供が複数人いる場合、遺産分割でもめる恐れが考えられます。このような場合に備え、遺言書の準備が必要となります。日本の法律では、遺言の形式として、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つが認められていますが、このうち最も利用件数が多い(全体の8割以上)のが公正証書遺言です。

公正証書遺言

 公正証書遺言とは、遺言者が最寄りの公証役場に出向き、公証人と証人2名の前で、遺言内容を口頭で告げ、公証人がそれが遺言者の真意であることを確認したうえで、これを文章にまとめたもので、法律上の効力があります。ではだれが承認の資格があるのか、となりますが、実は証人になる人が特別な資格を持っている必要はなく、叔父さん、おばさん、いとこなどの親戚にも依頼できます。
 ただし、以下の人は遺言書の証人はなれませんので注意してください。
・未成年者
 未成年者には十分な判断能力がないため
・推定相続人
 将来相続人になる予定の人が遺言書作成にかかわると公正さを保てないため

・受遺者
 遺言によって遺産を必次ぐ受遺者本人も相続人と同様の理由のため
・推定相続人・受遺者の配偶者や直系血族
 推定相続人や受遺者の配偶者、親祖父母などの直系尊属、子供や孫などの直系卑属がかかわると遺言内容の公正さを保てないため
・公証人の配偶者・四親等内の親族・書記・使用人
 公証人に近い人がかかわるとチェック機能が働きづらくなるため

自筆証書遺言書

 実は平成2年7月10日から、法務局で自筆証書遺言を保管してくれるようになりました。これにより、公正証書遺言と同様に法律上の効力が発生します。また、「正しく記入」さえすれば、遺言書の保管申請に係る手数料は3,900円で済みます。
 ここから、自筆証書遺言の「正しく記入」についてお伝えします。

1. 加除訂正の方法

 間違ったら、新しい用紙に書き直せばよいのですが、ほぼ完成したときなどはそれが面倒になります。そんなときにはどうすればよいのか?間違えたときや内容を書き足したいときには法律で定める「加除訂正」のルールがあります。修正テープを使ったり、黒く塗りつぶしたりしてはいけません。
*加除訂正ルール
① 間違った個所は「二重線」で消す。
② 正しい文言を書き入れるときは、「吹き出し」を使って書く
③ 吹き出しのそばの余白部分に、「〇〇字を削除、 〇〇字を加入等と書いて署名押印する

2. あいまいな表現は使わない

 財産を受け継がせたい相手には「取得させる」「相続させる」「遺贈する」などの文言をついましょう。
*避けるべき表現
① 「渡す」、「譲る」など。

遺言書に書くべき項目・書き方

 自筆証書遺言は、法定の様式に沿わない遺言書は無効となる場合もあります。ここでは遺言書に書くべき項目と書き方のポイントや注意点について記入例をもとにご説明します。

出典:株式会社伸寛「遺言書に書くべき項目・書き方

すべて自筆、ワープロ不可
 ・用紙は必ずA4サイズの模様や彩色がない紙(罫線は問題ありません)を使用すること。
 ・必ず余白を取り、最低限、上部5ミリメートル、下部10ミリメートル、左20ミリメートル、右5ミリメートルの余白を確保すること。
 ・代筆やワープロ、点字機等機械を使ったもので書いたものは無効。
 ・様式は、縦書きでも横書きでもよいが、片面のみに記載する事。

 ・各ページにページ番号を記載すること。

法定相続人には「相続させる」と書く
 法定相続人に対する遺言では、財産を「相続させる」とし、法定相続人でないものへの遺言は「遺贈」とするのが一般的です。

登記簿謄本どおりに書く
 不動産は、登記簿謄本(登記事項証明書)の記載を見ながらそのまま記入します。間違いのないように転記すること。

土地と建物は表記が違うので注意する
 「所在」「地番」「家屋番号」で表記が違いますので要注意です。

後日財産が出てきた場合を想定して、帰属を明確にする

財産を特定する
 不動産の場合は、所在・番地・地目・地籍。預金の場合は、銀行名・支店名・口座番号を記入します。残高は変動するので書きません。

日付を必ず記載する
 作成年月日の無いものは婿となります。元号でも西暦でも構わないので、作成日を明確に書きます。

遺言者が署名する
 本人であることが特定できれば、通称でも構いません。ただし、無用なトラブルを避けるためには本名で記載するべきです。
*夫婦連盟などは無効となります。

押印をする
 印は認印でも押印でも有効ですが、実印がより良いです。

スタンプは不可
 全文、自署します。

付言事項
 付言事項とは、財産の分け方などとは異なり、遺言者の気持ちや相続人に伝えたいことを書き残すことをいいます。法律的な効力はありませんが、トラブル防止に役立ちます。

民事信託

 民事信託とは、自分の大切な財産を誰かに預けて有効に管理・運用・処分をしてもらう方法のことを言います。この時、財産を預ける人を委託者財産を預かる人を受託者、そして財産から利益を受ける人を受益者と言います。家族信託は家族間の民事信託となる場合が多く、相続人が2人以上いる場合に用いられます。開始当初は親が委託者・受益者となり、子供が受託者として、財産の管理・運用を行います。また、親の相続開始後には、信託を終了することや、受益者を変更することなども指定できます。

【 メリット 】
・委託者の生前・死後を問わず、自由な財産管理が可能であること。
・通常の遺言による相続の場合には、一次相続しか指定でいないが、民事信託では受益者を連続して指定可能であり、二次相続、三次相続についても指定できる。
・倒産隔離機能があり、倒産や破産から信託財産を守ることができる。
・民事信託は、当事者間の自由な契約により成立するため、裁判所の関与も不要であり、手間やコストを省くことができる等。

【 デメリット 】
・民事信託は、成年後見制度や任意後見制度と異なり、身上監護についての取り決めができない。
・受託者を信頼できる人に依頼する必要性があり、適任者がいない場合には利用しづらい。
・信託財産を受託者名義に変更する必要がある。
・「信託財産から生じた赤字はなかったものとみなす」という税務上のルールにより、赤字が生じても「損益通算」という仕組みを利用することができない。

・信託財産から一定の収入がある場合、受益者は「信託計算書」や「信託計算書合計表」等の法定調書を作成して税務署に提出しなければならず、一定の手間がかかる等。
*「身上監護」とは受託者である親と受託者との間で交わされる契約等のことで、親の生活を維持するための仕事や療養看護に関する職務契約のことです。

他者・社会に及ぼす損害

 親が認知症になると、電車の線路内に立ち入る、商品を破損する、火災を起こしてしまうなどして第三者に損害を与えることも考えられます。そのような損害は一体だれが責任を持たないといけないのか、家族も賠償責任を問われるのか不安を抱いてしまいますよね。そんな場合に備えて、認知症の人が事故を起こした場合の保険商品が開発されています。

認知症の方に対応した個人賠償責任保険

 認知症になった方の行動によるトラブルで発生する損害に備えた保険商品を、損害保険会社などがで取り扱っています。この保険では法律上の損害賠償責任を負った場合の賠償金などの損害が補償されます。このような保険を個人賠償責任保険と言い、単独で加入することも可能ですが、火災保険や自動車保険などの特約として付帯することも可能です。

単独でも加入できる認知症保険

 単独で加入できる認知症保険の代表として、”リボン認知症保険”を紹介します。この保険は、認知症の方が起こしたトラブルを過去15年間で、101,430件も対応しています。
以下は主な特徴です。
・認知症発症後でも加入できる
・ネットのみからの加入のため、月々1,700円~、最大1,000万円補償される
・認知症の診断が無くても加入できる
・年齢に関係なく保証される
・別居の親でも加入させられる

保障内容:
1. 法律上の損害賠償金
  認知症の方が起こしてしまった法律上の損害を弁償する費用や慰謝料等が補償される。

2. 損害防止費用
   認知症の方が起こしてしまった損害の発生または拡大の防止のために支出した費用又は有益な費用のうち、再取得費用等(火災を起こした場合の消火薬剤等)が支払われる。

3. 請求権の保全、行使手続き費用
  法律上の損害を弁償する費用や慰謝料等が補償される

4. 緊急措置費用
  認知症の方が起こしてしまったトラブルによる損害を防止軽減するために、緊急手当てや護送などの緊急的な対応が必要な場合にかかる費用が支払われる。

5. 訴訟費用
  トラブルの解消に弁護士の紹介が必要となった場合は、弁護士費用並びに裁判の費用が支払われる。

6. 協力義務費用
  事故に関して被保険者の行う折衝または示談について、被保険者が弊社の要求に従い、協力するために必要とした費用が支払われる。

詳しくは、”リボン認知症保険”に問い合わせるか、私どもに相談してください。

傷害保険に特約とし加入保険

 傷害保険の特約として認知症保険に加入できる代表として、東京海上日動の”トータルアシストからだ保険(障害定額)認知症あんしんプラン”をご紹介します。この保険では、認知症の方の日常生活の不安をまとめて補償しています。まずは傷害定額保険に加入していただき、オプション(特約)認知症あんしんプランに加入する保険です。

補償内容:
月額保険料1,340円*(保険期間:1年間)
*保険の対象となる方ご本人の年齢が70歳以上、賠償責任に関する補償の保険金額が国内1億円・国外1億円の契約を締結した場合の金額となります。


・交通事故等によるケガに関する補償(死亡・後遺障害)
 保険の対象となる方ご本人が交通事故等によるケガで死亡した場合50万円、後遺障害の場合は程度に応じて2~50万円支払われる。
・賠償責任に関する補償
 保険の対象となる方ご本人やその家族等が、日常生活で他人にケガをさせたり、線路への立ち入りで電車等を運行不能にさせてしまったこと等により、法律上の損害賠償責任を負う場合には、1事故について保険金額(国内1億円、国外1億円)を限度に保険金が支払われる。
・行方不明時の捜索費用
 保険の対象となる方ご本人が行方不明となった時から24時間を経過してもなお発見されない場合、ご契約者又は保険の対象となる方本人の親族がその捜索のために負担した費用を、1事故について30万円を限度(保険期間を通じて100万円を限度)に支払われる。
・見舞費用の保障
 保険の対象となる方ご本人が日常生活に起因する偶然な事故で他人にけがをさせた場合で、ケガをされた方がその事故の直接の結果として死亡したとき、見舞費用保険金(15万円)が支払われる。

加入条件:
1. 認知症の方で、かつ40歳以上の方
  医師から「認知症」の診断を受けた方、または、認知機能・記憶機能の持続的な低下がみられる方。

付帯サービス(自動セット)
1. 事故防止アシスト
   東京海上日動のホームページで、事故・災害防止用の情報を提供。

2. メディカルアシスト
  電話で各種医療に関する相談に24時間365日応じ、夜間の救急医療機関や最寄りの医療機関の案内。

3. 介護アシスト
   電話で高齢の方の生活支援や介護に関する相談に応じ、優待条件で利用できる各種サービスを紹介。

4. デイリーサポート
  トラブルの解消に弁護士の紹介が必要となった場合は、弁護士費用並びに裁判の費用が支払われる。

5. 協力義務費用
  法律・税務・社会保険に関する電話での相談や毎日の暮らしに役立つ情報を提供。

詳しくは、”東京海上日動”に問い合わせるか、私どもに相談してください。

親が認知症になると何かと不安となりますが、お話ししてきた「認知症になる前にすべき3つの事」についてご検討いただければ幸いです。ご家族様がいつまでもご健康でありますように。

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